大学入試最難関大への英作文―書き方のストラテジー 大矢 復(著) 1260円

読み物として、利用されたい
日本語と英語の比較文化論といった趣を楽しめる
稀有な受験参考書です。非常に熱のこもった、そのくせ
一向に肩の凝らない筆致は、著者の実況中継本のノリを
ここでも充分に感じさせてくれます。
最初のほうを熟読し、途中の例文集に「ふんふん」とうなずき
ながら目をとおし、後半のメインで「英作文推敲ワールド」を
垣間見る。
そんな読み方が本書にはピッタリ。それでもめんどくさい方は
京大英作文の例題のところだけ寝転んで読んでも充分もとがとれる
でしょう。
文句なく星5つで、続編が切に望まれる。
競合商品が少ないので長文の和文英訳出題校対策に
『実況中継』では扱っていない、京都大、大阪大など関西の和文英訳を出題する大学志望者は参考になるだろう。
ただ、自由英作文対策の方は今ひとつ。
一橋大の出題が曖昧だ、という指摘はもっともである。が、早稲田(法、国際教養)、慶応(経済)のように解答に当たって、自分の依って立つ選択肢があるものに対して、その全てに対してきちんと解答例が示されていないのは致命的。英文の難易度よりも、ディスコースの整合性の方が大きな意味を持つ自由英作文なのだから、もっとページ数を増やしてでも、もう少しきちんとした解答例を示すべき。あとは、2005年度入試からは消えてしまった、関西学院大・総合政策の300語程度での解答を要求する出題例も示しておいて欲しかった。形式はTOEFL(R)に準じているものの、制限時間を考えると、TOEFL(R)のレベルでは対応しきれないと思うからである。
最近の英作文参考書の中で、ずば抜けて秀逸です!
あたりまえの、英作文用の受験参考書の一冊として、見過ごされるとしたら、余りにも、もったいない、ずば抜けた内容をもった英作文参考書の逸品です。
和文の内容を達意の英語で表現出来るかどうかは、実際に役立つ本物の英語力の観点からも、ますます重要視され、難関校と言われる、それぞれのアカデミズムに誇りを持っている大学が、英作文能力を問うているのは、至極、当然のことと思います。
受験生の方は、この本の第一章だけでもいいですから、お勉強してみてください。この本の解説が、いかに優れていて、その上、ひじょうにわかりやすいか、実感し、納得される筈です。課題の和文を、どのように、わかりやすい英語に言い換えるか、その、コツみたいなものが、驚くほど身についてくる筈です。書かれている英文は、いずれも分かりやすく、お勉強している高校生にも、じゅうぶん書ける英語になっています。しかも、英米人が見ても立派な英語なのです。筆者の余裕ある実力を感じます。なにも、関係代名詞をやたらに使い、難しい単語を使って書いた英文が高級な英文だ、なんてことはないのですから、安心してくださいね。
とにかく、素晴らしい本です。一般の方にも、ぜひ、お薦めしたい内容の本です!さすが、良心的な本を出されている桐原書店だけのことはあります。
著者の大矢 復さん、英文校閲の Steve Sheldonさん、この本によって、すぐれた学生たちが育っていく姿を想像するだけでも楽しいですね!
文句なしの、☆☆☆☆☆、最高です!!
時代の流れか・・・
個人的に「かなりいい」と思った本。
だが、世間の評価はあまり芳しくないようだ。
「入試レベルより難しすぎる」らしいが、
昔の受験生は入試レベルなど端から眼中にないのが当たり前だった。
「学力低下」よりも「意欲低下」「意識低下」のほうが問題だと感じた。
レベルが高すぎ
おそらくこの本にかかれている模範答案のような英語を書けるようになる受験生は皆無でしょう。
合格基準を遙かに超えているばかりでなく、大学側が用意した模範答案も超えていると思われます。
実際赤本や代ゼミ・河合塾等で作成した模範答案よりも1歩も2歩も踏み込んだ分析、
ともすると読み込みすぎと思われるような分析がなされています。英訳と言うよりは翻訳に近いです。
英語好きな人は興味をそそられるでしょうし、翻訳家の卵には最適でしょうが、
受験生が手を出すとひどい目に遭います。たとえ最難関大学といえどもここまでは要求していません。
受験生はもっとほかに勉強することがあります。同じ著者の『大矢英作文講義の実況中継』で十分です。